リラクゼーションのセラピストとして活動している方や、
これから始めようと思っている方からよくいただく質問の一つに、
「何をどの順番で学べばいいんですか?」というのがあります。
今回は、リラクゼーションセラピストとして成長していくために必要な
大きな道しるべをお話ししていきます。
1. 筋骨格系の理解と技術
まず、私たちは身体を扱う職業です。
なので、筋肉や骨といった筋骨格系に対して
適切なアプローチができることが基本中の基本です。
ここでは、解剖学の知識と、
具体的な施術テクニックが重要になってきます。
この段階で学ぶべきことは、
「体の構造を知り、どこに何があって、そこにどんな手技でアプローチができるのか」です。
たとえば、タイ古式マッサージのような技術は、多彩な手技に加え
筋肉や筋膜に直接アプローチしながら、全身のストレッチを行うので、
筋骨格系の基礎をしっかり理解し、身につけるのに最適です。
2. 内臓や脳の理解
筋骨格系にアプローチする方法が身につき、
実際に施術経験を積んでいくと
次に興味が湧いてくるのが、
内臓や脳(神経系)といった身体の内部です。
筋骨格系の施術経験を深めていくと
このアプローチ方法だけだと
常に良い結果を出すには「何かが足りない」ことが分かってきます。
そこで自然と関心が向いてくるの内臓や脳です。
分かりやすい施術ポイントで言えば
お腹と頭ですね。
ここが魅惑の施術場所となってくると思います。
内臓の働きや、栄養、代謝の仕組み、
脳の構造、神経系の役割などを
解剖学や生理学的に学ぶことで、
より深い施術が可能になります。
ここまで来ると、
新しい施術の可能性が広がっていくのを感じるでしょう。
3. 心のケアと心理学
リラクゼーションの施術は、
身体だけでなく心にもアプローチします。
人間には心があるので
物理的な刺激以外にも
お客様の心身に大きく影響を与えるものがあります。
ですから、
認知科学や心理学、心のケアに関する知識も重要です。
施術は人と人とのコミュニケーションで成り立つものですから、
心理的な側面も理解し、それを活用することで、
より満足度の高い施術を提供できるようになります。
そしてここでも、
タイ古式マッサージが持つ
特別な側面に触れてみたいと思います。
タイ古式マッサージは、
仏教文化に深く根ざしています。
仏教は、心の平安を非常に大切にしてきました。
タイ古式マッサージは、
仏教の精神性と結びつきながら、
人々の身体だけでなく、心にも癒しをもたらしてきたのです。
仏教の教えの中には、
身体と心が互いに影響し合い、
心が静かになることで身体もリラックスするという考え方があります。
タイ古式マッサージの施術は、
まさにこの仏教的な「心身一如」の考え方に基づいています。
深い呼吸を促し、相手を大切に思うタッチをすることで、
施術者とお客様の間に深いリラクゼーションと信頼感が生まれ、
心のケアにも大きな効果を発揮します。
そのため、タイ古式マッサージは、
身体の緊張をほぐすだけでなく、
心のストレスや不安を和らげる手段としても非常に効果的です。
仏教の教えを取り入れたタイ古式マッサージは、
リラクゼーションセラピストが心のケアを学ぶ上でも、
非常に大きな助けとなります。
4. 東洋医学の知識
筋骨格系や内臓や脳、心などの学びを経たあと、
次に学びたいのは東洋医学です。
筋骨格系や内臓などの解剖学や生理学といった学びは
西洋医学がベースになります。
西洋医学ベースのいいところは、
私たちセラピストから、ドクターなど医療従事者の方まで
世界共通の知識体系なので、明確で理解しやすいことです。
ただ、西洋医学的な身体の見かただけだと
もったいない感じもしてきます。
たとえば、西洋医学では脳を中枢としますが、
東洋医学では臓腑といった腹をメインどころと考えます。
こういった違いは、
1、2、3と西洋医学的知識をベースにしたうえで学ぶと
視野も広がりますし、それとともに可能性にも気づきます。
そして、経絡や気といった概念も魅力的です。
実はこれらの概念も
タイ古式マッサージと非常に親和性があります。
西洋医学の解剖学や生理学に加え、
東洋医学的な見方も取り入れることで、
身体の全体像をより深く理解できるようになります。
最後に
リラクゼーションセラピストとしての道は
非常に奥が深いものですが、
まずは筋骨格系に対する基本的な理解と技術を身につけ、
その後、内臓や脳、心、そして東洋医学へと進んでいくことが、
誰でも理解しやすく、地に足がついた学び方で
あなたをしっかり成長させてくれる道しるべになると思います。
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